うさぎを健康に育てるためには、適切な食事管理が欠かせません。うさぎの主食は牧草ですが、果物や野菜を与えることでビタミンやミネラルを補うことができます。
しかし、うさぎの消化器官は果物や野菜に含まれる糖分や水分に敏感で、中には危険なものもあるのです!

うさぎに与えると食べるし良さそうな感じもするけど…
ここでは、うさぎに与えてはいけない果物・野菜、注意が必要なもの、与えても良いものを具体的に解説します。
うさぎの健康を守るために、飼い主さんが知っておくべき情報をお伝えします。

何が大丈夫か知ると安心だよね!
※個々のうさぎの健康状態によって適切な食事内容は異なる場合がありますので、具体的な食事プランについては、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします
うさぎの健康を守るために、与えてはいけない食べ物を知ることが重要

まずは、基本中の基本です!
うさぎと人間では食べられるものが異なりますので注意が必要です。
そのため、例えばお菓子を食べていてうさぎが寄ってきたからあげるというのは、例えうさぎが欲しがったとしてもよくありません!

とはいえ、うさぎとのコミュニケーションを取るときに、果物とかあげてみたくなるものです。

正直、こういうときって難しいよね!
一方で、うっかり食事中に落としてしまったものをうさぎが食べてしまった場合にも、ダメなものかどうかは気になるところです。
段落の最初にある芽キャベツを食べるうさぎは微笑ましいところですが、現実問題としてこういったことはしっかり管理しなければならないことです。
そこで、こちらではうさぎの消化器官の説明を簡単に説明したのちに、「与えてはいけない果物と野菜」「注意が必要な果物と野菜」「与えても良いが部位など注意が必要な果物と野菜」を解説します。

野菜や果物でも与える部位によって違いがあるのは注目だよ!
うさぎの消化器官の特徴

うさぎの消化器官の特徴は、全体として草食動物である点です。
そして、一見すると「草とか果物なら何でもいけそう?」と思いがちですが、過度な糖分や水分は危険です。

食べ過ぎとか良くないんだ!人間と一緒!!
その点は、うさぎの主なえさが牧草である点を考えると分かりやすいかもしれません。
うさぎの消化器官は草食動物に適応している
うさぎは草食動物であり、その消化器官は牧草などの繊維質を効率的に消化するのに適した構造をしています。
盲腸が発達しており、発酵により繊維質からエネルギーを得ています。

うさぎ飼育のコツは「うさぎの腸」を理解するのが大切なんだ!
果物や野菜に多く含まれる糖分や水分は、うさぎの消化器官に負担をかける
うさぎの消化器官は果物や野菜に多く含まれる糖分や水分に対しては弱いのです。糖分は腸内細菌のバランスを崩し、下痢や軟便の原因になります。また、水分が多すぎると、うさぎの尿量が増えて尿路結石のリスクが高まります。
与えてはいけない果物
与えてはいけない果物の特徴としては、特定の成分があることや、酸味による消化不良、高い糖分のために肥満の原因になるものです。
果物については、消化不良や肥満の原因になるものが多いです。
アボカド

ペルシンという物質が含まれており、うさぎに中毒症状を引き起こす恐れがあります。
以下は、ウィキペディアのペルシンについての情報です。
アボカドをヒト以外の動物に一切与えてはいけない。症状には胃腸刺激、嘔吐、下痢、呼吸困難、鬱血、心臓組織周辺の体液貯留から死に至ることすらある。ことに鳥類はこの有毒な化合物に敏感なようである。種子はイヌやネコの腸管に詰まり外科手術による除去が必要になることがある。

改めて思うのが人っていろいろ食べられてすごい!!
ブドウ、レーズン

腎不全の原因になる可能性があります。少量でも危険です。
実は、時代によって良し悪しが判断が変わってしまうものがあって、このブドウやレーズンもその一つです。
さかい動物病院さんのブログでは、ブドウが入ったサプリメントが登場したという点があって驚いていました。
とはいえ、やはりわざわざ危険と言われていたものを与える理由もないので、ブドウやレーズンは与えるべきではないという結論でした。
詳しくは以下にリンクを出すので確認してみてください。
ウサギにブドウあげる?
柑橘類(オレンジ、グレープフルーツなど)

酸味が強く、うさぎの消化器系に負担をかけます。下痢の原因になります。
うさぎにとって消化器系の不良は死活問題になる場合があります。
病院に連れて行くのもお金が掛かりますので、酸味が強い柑橘系は与えないように注意しましょう。
バナナ

高糖分でカロリーが高いため、肥満の原因になります。
人間も動物も過度な肥満は注意しなければならないですね…
与えてはいけない野菜
与えてはいけない野菜は、特定の危険な物質が含まれているものや、消化器系の負担になるものがあります。
特に特定の成分があるものは絶対に注意しなければいけないのでよく確認しておきましょう!
タマネギ、ニンニク

アリシンという物質が含まれており、うさぎに中毒症状を引き起こす恐れがあります。
タマネギやニンニクは、人以外のほとんどの動物に与えてはいけない代表的な食物ですが、うさぎも例外ではありません!

犬や猫と同じ!絶対に与えないように注意して!!
ジャガイモ、トマト

ジャガイモにはソラニンという物質が含まれており、うさぎに中毒症状を引き起こす恐れがあります。特に、緑色の部分や芽には注意が必要です。
ソラニン自体は人でも大量摂取で危険なものですが、うさぎにとっては当然に危険な食物です。
なお、トマトの葉っぱにはソラニンの類似物質である「トマチン」が含まれていて、なんとなく葉っぱを与えたくなるうさぎには特に知っておいて欲しい危険な部位です。
キャベツ、ブロッコリー

消化されにくい野菜で、ガスが発生しやすくなります。うさぎの消化器系のトラブルの原因になります。
ここまで何度も解説しているように、うさぎの消化器系のトラブルには気を遣う必要があるため、わざわざそういったリスクをとることはないでしょう。

なんとなくうさぎが好きそうだし、知らずに与えてしまう場合もあって注意だよ!
ホウレンソウ

シュウ酸含有量が高く、カルシウムの吸収を阻害します。尿路結石の原因になります。
人の場合には、鉄分補充で有用なホウレンソウですが、うさぎの場合にはちょっと注意が必要ですね。
注意が必要な果物・野菜
注意が必要な果物や野菜については、主に水分や糖分を多く与えてしまう可能性があり、消化器系の不調につながるものがあります。
意外にもニンジンを与えることは注意が必要なところに注目です。
リンゴ、ニンジン

糖分が多いため、与え過ぎるとうさぎの消化器系に負担をかけます。少量なら問題ありません。
リンゴやニンジンを食べているうさぎは印象に残りやすいですが、現実にはおやつのような扱いというわけです。

少量ならOKかー、良かった!!
レタス

水分が多く、与え過ぎるとうさぎの尿量が増えて尿路結石のリスクが高まります。与える量を調整しましょう。
セロリ

繊維質が多いため、与え過ぎると消化器系のトラブルの原因になります。少量を目安に与えます。
うさぎに与えても良い果物・野菜
うさぎに与えても良い果物・野菜は、ここまでの復習的な内容になります。
つまりは、高い糖分や多くの水分を避けて、また消化器系に負担を与えないものが代表的です。
りんごの皮(種は除く)

薄く剥いた皮は食物繊維が豊富で、うさぎの歯の健康維持に役立ちます。
りんごを与えるならば、皮を与えるということは知っておきたい知識です。
バナナの皮(少量)

食物繊維が豊富ですが、与え過ぎないように注意しましょう。
注意点として、バナナの皮には農薬が付いている可能性があり、長期的に与えることは健康上のリスクになる可能性があります。
とはいえ、この点を指摘するとキリがありません。(人間にも少なからずリスクがありますからね…)
こういったことを考慮すれば、人間が食べる場合もバナナや他の果物や野菜についても、しっかりと洗うことが大切と言えるでしょう。
うさぎもバナナを洗い出すと「むっ!?バナナを食べると申すのか!?」と喜びの舞をするようになると思います。

これは朗報!みんな(人)バナナは皮を食べないし!
メロンの種を除いた部分

水分補給に適しています。糖分が多いので与える量に注意が必要です。

糖分と水分の量を考えると若干おすすめしない寄りかも!
キュウリ(薄く切る)

水分補給に適しています。薄く切って与えるのがおすすめです。
小松菜、春菊、チンゲン菜

カルシウムが豊富で、うさぎの骨の健康維持に役立ちます。ただし、カルシウム摂取量が多いことは逆に問題にもなるので、与えるものについて偏り過ぎないようにしてください。
にんじんの葉(少量)

ビタミンやミネラルが豊富ですが、カロリーが高いので与え過ぎに注意しましょう。

にんじんは葉っぱを含めておやつ扱いだよね!
まとめ

うさぎの健康を守るためには、与えてはいけない果物・野菜を知ることが大切です。アボカドやブドウ、タマネギ、ジャガイモなどは中毒の恐れがあり、絶対に与えてはいけません。
また、リンゴやニンジンなどの糖分の多い果物・野菜は、与える量を調整することが重要です。うさぎの消化器官は敏感なので、急に新しい果物・野菜を与えるのは避け、少しずつ試していくことをおすすめします。
うさぎに果物・野菜を与える際は、種類と量を考えて選びましょう。うさぎの様子を見ながら、適切な量を見極めることが大切です。新鮮で安全な果物・野菜を与えて、うさぎの健康を守ってあげてくださいね。

おすすめはリンゴの皮とバナナの皮!基本的に捨てちゃうからねー!
参考文献
うさぎが食べてはいけないものについては、以下のサイトも参考にしてください。
現在では、ウェブブラウザに優秀な翻訳機能が付いているので、世界中の情報を簡単に見ることが出来ます。
裏付けや検証などに役立ててください。
- House Rabbit Society. “Suggested Vegetables and Fruits for a Rabbit Diet” (英語) URL: https://rabbit.org/suggested-vegetables-and-fruits-for-a-rabbit-diet/
- Varga, M. (2013). Textbook of Rabbit Medicine. Butterworth-Heinemann. (英語, 書籍) ISBN: 978-0702054198